賞典書(しょうてんしょ) 市指定有形文化財(古文書)

公開日 2017年05月02日

  • 指定年月日 平成11年11月12日
  • 所在地 大田原市前田980-1 黒羽芭蕉の館 
  • 所有者 大田原市
  • 員数 1通
  • 製作年代 明治時代
  • 大きさ 縦52.2センチメートル 横65.0センチメートル

 明治2年(1869)6月付けで、明治政府の太政官から黒羽藩主大関増勤(ますとし)宛てに発給された証書です。戊辰戦争における黒羽藩の戦功を賞し、永世禄として1万5千石を与える内容です。

 幕末期の黒羽藩主大関増裕(ますひろ)(若年寄兼海軍奉行)の死後、新藩主として増勤を迎えた黒羽藩は、下野諸藩の中でいち早く戊辰戦争では新政府軍方に就くことを明らかにしました。慶応4年(1868)4月・閏4月の下野での戦闘を経て、戦局が会津方面に移行していった段階で、黒羽藩兵は、5月22日、奥州旗宿(はたじゅく)に出陣しました。それ以降、明治元年(1868)10月13日に黒羽に凱旋(がいせん)するまで、棚倉・三春・二本松に転戦し、三斗小屋・大内の戦いを経て、会津若松城攻略に参戦しました。

 賞典禄が1万5千石という異例の高額を示している背景としては、前述のとおり、黒羽藩が早い段階で藩論を統一して各地に参陣したこと、特に、会津若松城攻略に最も手薄な那須・白河方面の守護に力を尽したことが考えられます。本文書は、黒羽の幕末・維新期の歴史を語る上で欠かすことができない重要な史料です。

 

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